ザウターピアノについて

古い歴史
 ザウターピアノは、1819年創業とされており、現存する最も古い歴史を持つピアノメ ーカーの一つです。創業者のヨハン・グリムは、ベートーベンとの親交で有名な、ウィ ーンのピアノ製作者シュトライヒャーのもとで、技術を学びました。ちょうどその当時 ベートーベンもウィーンに住み、シュトライヒャーのピアノフォルテを好んで使用して いたことから、調律などの仕事で、グリムもベートーベンと交際があった可能性もあり ます。
 甥で後に後継者となるカール・ザウターの名をとり、ザウターと名づけられたピアノ は、その歴史に違わず、ドイツのピアノ造りの伝統を受け継ぐ、ドイツピアノの正統派 として多くのピアニストやピアノファンから愛され続けています。

弾くほどに味わい深く
 南ドイツ・ウィーン派の流れをくむザウターピアノには、その特徴である明るくブリ リアントな響きを出すための様々な工夫が施されています。特に音の特性を決定付ける 響鳴板は、限りなく薄く、しかも半球状の膨らみ(クラウンといわれる)は、限りなく 深く造られており、これはスタインウェイやベーゼンドルファーと比較しても際立った 特徴と言えます。
 また、ピアノは、一般に、新品の状態より、ある程度弾き込んでハンマーが弦になじ んでくる段階の方が、音が良く出るようになると言われています。しかし、中には、弾 き込んでもあまりよくならない物もあります。
 ザウターピアノは、使用する様々な素材の特性や経年変化を長いピアノ造りの経験の 中で学び取り、膨らみのある響鳴板に貼り付けられた駒と弦との間で押し合う力、専門 的には駒圧と呼ばれるますが、この圧力が製作後5年程度で理想的な状態になり、そのよ うな状態が長く続くように造られています。したがって、ある程度弾きこんで、弦とハ ンマーのなじみが良くなって、駒圧が安定してくると、すばらしい音色のピアノに育っ てゆきます。

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