中古品で大丈夫?

 中古ピアノが売れています。あまりにも高価になってしまった新品を敬遠して中古品を選ばれる方が増えているのです。 結論から申しますと、ご予算を抑えてピアノのご購入をご検討の場合は、迷わず中古品を選ばれるべきです。
 しかし、ピアノにかぎらず、中古品を求める場合には、傷や汚れや錆が気になりますし、すぐに壊れてしまうんじゃないかとか心配です。 もちろん後々修理の費用がかさんでは、せっかく安く買った意味がありません。 当然、人が作ったものには寿命があり、永遠に使えるものなどはありえません。 しかし家電や家具等は、修理すればまだまだ使えるものがどんどん廃棄物扱いされているのが現実です。
 ピアノは、最近の量産品を除けば、伝統的な技術と自然の素材からできています。 従って、もっと長持ちするのです。ましてや、いわゆる量産メーカーの低価格帯の商品のなかには、 安く造ることだけを優先したものも見受けられます。そういった新品ピアノよりも、 かってピアノメーカーとして余裕のあったメーカーが、品質を十分に考慮しながら製造した中古品の方が、 まだ楽器としては、価値があるのではないでしょうか。
 ただ、中古品の場合、外装には傷や汚れがありますし、内部も埃や錆が目立ちますし、 年数に応じた経年変化や、長期間の使用に応じた消耗やくるいもあります。また、一流メ ーカーといわれる会社の商品にも、外装にひびが入ったり、弦とりわけ低音部に使用され る巻線やアクションの部品に不具合が生じたり、そのメーカー特有の欠陥があったりしま す。
 それらは、当然に修理や調整がが必要です。また、あまりにも古くなりますと修理のための費用がその分かさむのは当然です。 買ったほうが安いと言われる時が必ず来るわけです。つまり、それ以前のピアノであって、 しかも必要な修理や調整が十分に施された中古品であれば、安く造ることだけを優先させた低価格帯の新品よりは価値があるのではないでしょうか。 問題は、販売される段階で必要な修理や調整が十分に施されているかどうかです。
 ピア ノ販売店が中古ピアノを仕入れる場合、いくつかのルートが考えられます。 まず、自社で直接お客様から下取りしたり、買い取ったりします。また、メーカーや修理業者から修理や調整済みの物を仕入れる場合もあります。 当然に仕入原価は、前者が安く後者は高くなります。
 しかし、普通はその両者が、リニューアル済み、つまり必要な修理・調整が済んだ商品として店頭に並びます。 もちろん前者についても、販売店が外装をで磨いたり、傷には目立たないような補修をします。 その場合でも、内部の補修は、ほとんどなされないのものもあります。
 したがって、中古品の選定には、それなりの予備知識がないと、いいかげんな商品を買わされてしまう危険があります。 店を選んで、店を信じて買うしか最終的には方法は無いのですが、このコラム集の中に『中古ピアノの品定め』というページがありますので、 不十分ですが参考になさってください。
 最後に、[ピアノにふれないで下さい]という張り紙をしている店がありますが、食べ物は食べてみなければ分かりません。 ピアノは、弾いてみなければ、聞いてみなければわかりません。 これぞというピアノは、徹底的に説明を求め、内部も全部見てからお決めになることでしょう。 リニューアル済みと説明されたピアノが、納品された後で上のふたを開けてみたらくもの巣が張っていたという話もあります。
 そして、1万、2万安いか高いかではなく、ピアノとしての商品の仕上がりの程度をよく見て、品質本位で選ばれることです。

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