ベーゼンドルファーの最大の特徴
        「Resonating Box」システムとは何か
 ピアノの弦の張力は20トン以上になります。それを支えるのが一般のグランドピアノの場合は、外側からケース、支柱枠、鋳鉄製のフレーム、そして支柱です。従って、ケース(グランドピアノの特徴である変形U字型の側板)や支柱枠はカエデ等の比較的硬くて重い木材の薄板を接着した合板を高温高圧で強引に成型する工法が取られます。
 これに対して、ベーゼンドルファーの場合は独自の設計思想を基にケースを全体の構造を支える役割から開放し、スプルースの1枚板を内側に無数の切れ込みを入れてより弱い力で成型したものを使用し、響鳴板の延長として響かせる役割を与えました。ブロック積み工法により強い緊張状態から開放された支柱枠も同様です。
 ベーゼンドルファーでは、ケース、支柱枠そして支柱までもスプルース系の素材を用い、その構成比は楽器全体のなんと85%にもなります。
その結果、楽器全体を1つの響鳴体として機能させることに成功したのです。これが「Resonating Box」システムです。
 選りすぐりの良質の木材を十分に開放し響かせることにより、人がオペラを歌う声に近いと言われる豊かで伸びのある音色が可能となったのです。ピアニッシモさえ豊かに聞こえる秘密があります。
 内側から見たケースの側面縦に切れ込みが入っており成型しやすくなっている。その下に見えるのが支柱枠(サブフレーム)。 組み立てを待つ支柱枠。この形状の部品をブロック上に組み合わせて支柱枠が作られる。